DAITUBEの魚突きブログ

「魚突き」ときどき「BBOY」でお馴染みのYOUTUBEチャンネル『DAITUBE』です。「三又の土佐銛先」と「2mのアルミ銛」を使用した、いわば「軽装魚突き」での突果にプライドをかけています。

魚突きの4大要素

「どうやったら上手くなれますか?」

 

 最近、そういった質問をいただきます。

 

 自分の腕が認められてきたんだなーと嬉しくは思いますが、正直言ってお答えし辛いです。なぜならその方の状況が全く分からないからです( ;∀;)

 

 僕は誰かから銛突きを教わった訳ではありません。上手い人の動画を見たり、ブログを読んだり、本を読んだり、そして何より自分の動画をよく見て、自分で考え、研究してきました。尊敬するアクアライフの方からアドバイスをお聞きすることもありましたが、ベースは独学の我流です。

 

 つまり何が言いたいかと言いますと「今から書く記事は『僕個人の方法』ですので絶対ではありませんよ」ってことです。

 

 さて、前置きはこの辺にして、いよいよ本題に入りたいと思います。

 

魚突きの4大要素

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 魚突きを研究するのに、僕は「魚突きに大事な4つの要素」に数字をつけ、そこから分析してみようと思いました。

 この「4つの要素」こそが僕独自の考え方です。

 

 それは魚を獲るのに必要なプロセスであり、「発見すること」「接近すること」「命中させること」「確保すること」の4つです。魚が獲れないときはその数字をつけてみて、自分が何で躓いているのか知ることが大事だと考えました。


発見数・・・見つけた魚の個体数。

接近率・・・魚に接近を試み、一瞬でも射程距離まで近付くことができた成功率。

命中率・・・魚に銛を撃ちこみ、一触れでもその魚に当てることができた成功率。

確保数・・・魚を捕獲した数。


 接近率と命中率に関しては、次のような計算式を取る。


〇接近率=魚に近づこうと試みた数を分母とし、銛の有効射程(銛を伸ばし切れば届く距離「※『飛ばし銛』の距離は含まない」)に一瞬でも入った数を分子として計算。(※出会い頭に逃走された、スルーして逃がした場合は分母数にも分子数にもカウントしない)


〇命中率=銛を放った数を分母とし、魚に刺さらないまでも当たった数(※とにかく銛先が触れた数)を分子として計算。


 以上のような数字を、魚種別に記録します。

 

ある日の数字

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 上のメモは、同じ日に同じポイントで同じ時間だけ潜った二人の突き師の記録です。ちなみに魚種はイシダイです。

 

 たった一日の記録でも、気付かされる点があるとは思いませんか?

 

まずは「発見数」です。

 

 目当ての魚を見つけられるかどうかは「突き師の生命線」です。たとえ他の数字が良くても「発見数が悪い突き師」は、「良い海」でしか突けないプレーヤーということになってしまいます。そんな中で、僕とダイスケさんの発見数は倍も違い、僕が劣っています。この差は重大です。

 ちなみにダイスケさんの潜水時間、潜水深度はいつも僕より上です。が、この日のターゲットは浅場の中層を泳ぐ乗っ込みイシダイで、空潜りしなくても発見ができるそんなシチュエーションでした。

 つまり、今回の数字の差は「空潜り」の数や深度だけではないのです。普段から潜水力でダイスケさんに劣る僕でしたが、今回のゲームは「潜水力」の関係ない内容なのです。

 

 それなのに数字が違うのは何故か。それは探ったポイントの選択であり、「魚がいそう」と感じ取った直感の差なのです。いわば「野生の勘」、「センス」です。


 ただ、僕にも唯一よかった点というのもあります。

 

それは「接近率」です。

 

 そもそも僕とダイスケさんでは装備が違います。僕は2mのヤスで、ダイスケさんは4mの手銛。射程の長さはダイスケさんの方が上です。

 

 ところが、ここでいう「接近率」は「使用している銛が届く距離に一瞬でも入った数」をもとにするため、射程の長い銛の方が率はよくなるはずなんです。にもかかわらず、接近率は僕の方がよかったのです。(※ただし銛が届く距離に入ったというのは、僕はGOPROの映像を見返して判断したカウントで、GOPROをもってないダイスケさんの数値は感覚にすぎないものではあります)


 ただし、「銛が長い」から、「長さ」イコール「射程」ではないことも明記しておかなければなりません。

 魚から見れば「銛も含めて人間のシルエット」です。もちろん人間本体を一番に怖がるとは思いますが、銛を最大まで引いた状態の「持ち手から銛先までのシルエット」も人間の一部として警戒してきます。僕の動画で「人間本体からの距離」が魚と近いのは「僕の銛が短い」からであり、「ヤス先からの距離」で考えるとそこまでの差はないかもしれません。


 じゃあ、銛は長くても短くても関係ないのか、っていうとまた違ってきます。

 「持ち手から先の長さ」も長くてトクする場面も多いですし、何より銛が長ければ「飛距離」も長くなります。これが重要だから、みんな長い銛を使うんですね。

 

 確かに魚は「こちらのシルエット」を警戒しますが、そのシルエットがそこからどれだけ伸びてくるかの距離までは、さすがにわからないはずなのです。なので「シルエットは竹ヤス並みで、飛距離は手銛より長い」という「水中銃」が最強に魚を突きやすいわけです。

 そういう事情も加味したうえでさらに考察を続けますが、アクアヤスとファルコンとではやはりファルコンの方が射程は長いです。が、この日のだいすけさんは10回近づこう(寄せよう)として、射程にまでイシダイを入れられたのは一度だったと言います。謙遜してなければ。

 

 実際に僕のこの日の動画を見てもらっても「イシダイめっちゃ寄せれてるね」とダイスケさんは言っていたので、寄せは上手くいってなかったのだと思います。

 ただダイスケさんはそれでも五回も銛を撃っています。それは遠いまま無理くり飛ばしたためであり、当たらなかった銛は「避けられた」でなく「届かなかった」そうです。ということを考えてみると、ダイスケさんの接近率は信憑性のある数字なのかと。

 

 高いポテンシャルをもつダイスケさんとはいえ、さすがに突き歴はまだ3年。粗削りでもセンスや行動量で突果を打ち出す。悪いことではないと思います。

 実際にこの日の結果は、ボウズなのは僕で、イシダイを仕留めたのはダイスケさんなのですから。

 

 

――というふうに、数字から分析できることはありますね。

 

 特に突き仲間が周りにいるような人は、潜りに行ったとき仲間で数字をつけて比べてみると経験値の濃さが全然違ってくると思います。オススメです。

 

 最後に、実際に数字をつけてみて、そのあとどう反省していけばいいか、その反省項目をまとめていきましょう。

 

 

【発見数】

・ポイント選びは適切か

・空潜りして探せているか

・魚のいる深度まで潜れているか

 

 そもそも魚のいるポイントを開拓できているかという、海に入る前からの勝負も大事です。海に入ってからも魚の居つきそうな地形を探れているのかとか、潜った数や深度の差も、突果を大きく左右しますね。

 

 

 

 

【接近率】

・静かに潜れているか

・ゆっくりと動けているか

・着底して身を隠せているか

 

 魚種によって違う行動パターンに対し、それぞれ正しいアプローチができているか、個人的には魚突きの一番の醍醐味です。しかしながら、どの魚に対しても「ゆっくり静かに動く」という基本は変わりませんし、それがなにより一番のキモです。

 

 

 

 

 

 

 

【命中率】

・構え方は正しいか

・タイミングは適切か

・狙う魚の部位は良いか

 

 緊張の瞬間です。魚ばかりを見ず、ヤス先の延長線にターゲットを見られているか、すべてがこの一瞬で決まる、魚突き一番の山場ですね。

 

 

 

 

 

 

【確保数】

・銛を深く刺せているか

・銛を引いてしまっていないか

・手で直接確保しにいけているか

 

 「チョッキ銛しか使ったことのない多くの人」が魚に銛を当てるまでのことしか考えていません。しかしながら、ヤスで大物に挑んだことのある人なら分かっています。銛を当ててからが本当の闘いなのだと。突いたあとにも必要なスキルがあるにも関わらず、チョッキシステムに任せてそれを放棄し、身切れしてチョッキに文句を言うなんてのは浅はかですね。

 

 

 

 

 

――というようなことを、潜り終わったときに反省してみて、何が良かった、何が悪かった、と一喜一憂してみたり、そこから試行錯誤してたくさん悩んでいきましょう。

 

 ちなみにこの四要素、上にいくほど重要度が高いです。

 

 自分にニガテな要素がある場合、その要素を改善しようと頑張るのはもちろんですが、その「直前の要素」を磨いて克服する方法もあります。

 

 たとえば、「魚をよくばらしてしまう人の場合」は、押さえの技術を磨くほか、命中精度を磨いてバラしにくい箇所を突くことで改善してもいいですよね。「銛を撃っても外してしまう人の場合」は、絶対に避けられない距離まで詰めるアプローチを磨いてもいいです。そして、魚を誰よりも見つけることができるのであれば、それが一番結果につながります。

 

 

 最後に、つい先日の動画を貼ります。今回紹介した数字もつけてみましたので参考までに。