DAITUBEの魚突きブログ

「魚突き」ときどき「BBOY」でお馴染みのYOUTUBEチャンネル『DAITUBE』です。「三又の土佐銛先」と「2mのアルミ銛」を使用した、いわば「軽装魚突き」での突果にプライドをかけています。

魚突きはマイナーであるべきか

(※今から書く記事は、FC2ブログ時代に書いたものとほぼ内容は一緒です。ダイツベの進む方向性を再確認するため、改めてこちらにも書かせていただこうと思い、コピペと補足をします)

 

 

 

 ダイツベが「カンパチ」を突いた動画を上げてから一ヶ月が経ち、YOUTUBEのチャンネル登録者は400人増え、今では「1750人」とかなりの知名度にまで成長しました。ありがとうございます。

 

 欲を言えば、このブログの読者さまももうちょっと増えてくれれば、なお嬉しいです(笑)

 

 

 さてさて、しかしながら、です。

 

 このことを喜んで下さる突き仲間はもちろん多いですが、そうでない方もやはりいらっしゃることと思います。


「魚突きはひっそりとやるべき、と考える人たち」ですね。


 魚突きは今でもやっぱり、マイナーな世界。

 漁師さんとの間でトラブルが起きることも珍しくないことから、肩身の狭い趣味なのは周知の事実で。だから、にわかの突き人口が増えて、トラブルの率が上がることを懸念するのは当然のことではありますね。

 なのでネット上に発信することはせず、ほそぼそとやらなければ趣味としての魚突きは、その存在を脅かされる、という訳です。確かにそれは当たっているなあと思います。

 でも、自分は違った考えも持っています。

「趣味としての素晴らしさと正当性をもって発信し、世間一般からの理解を得るべきだ」と。

 そう、少なくとも、自分のやっているこの鹿児島の条例では「魚突き」はなんら違法ではない。堂々とやっていけないはずがないのです。

 

 ただし、近年、条例も厳しくなって、魚突きができなくなった県もままあります。不満を持った突き師さんは、全国に腐るほどいることでしょう。

 では、どんな不満があるでしょうか。よく耳にするものを以下に書きましょう。



〇突き師の本音

 日本のように、遊漁の釣りに関してはガッバガッバのゆるゆるで、銛突きだけ異常なほど規制している国は、他にない。

「魚突きはゴミも出さないし、自分の意志で魚を選ぶから外道も出なくて、むしろ海の資源に与えるダメージは少ない。なのに理解されない」というのはすべての突き師が抱いてる不満であります。

 

「魚を突いてバラしたら、あとでその逃がした魚が死んでいるのを見て悲しくなった。それ以来、釣りはするけど、魚突きはイヤだ」という言葉にも出会ったことがあります。小学生並みの感情論です。

 

 確かに、どんなに腕が上がっても、魚をバラして無駄に傷つけるだけに終わってしまう悲しいことは必ずあります。ただ、それは本当に「銛突き」だけの話でしょうか。

 

 釣りは釣りで、糸が切れてバラしてしまうことがありますでしょう。口に針が刺さったままの魚はどうなるのですか? 自分の目には映らないから心は痛まず、許せるのでしょうか。今年、僕が突いた魚の中に、釣り針の傷が口に残っているオオモンハタがいました。

 

 

 上顎が変形しているのがわかりますね。

 

 他にも、船釣りで深海から引っ張り上げて、浮袋の飛び出してしまった外道などは、可哀そうではないのでしょうか。

 

 海に潜ったらわかります。釣り人の出したゴミが、海中に散乱しているのが。

 

 もちろん全ての釣り人がゴミを出す訳じゃないのは百も承知です。根掛かりなど、仕方ないゴミだってありますよね。

 

 釣り師が悪いなんて言う気はありませんし、思ってもないです。ただ突き師だけを悪く言われたときは、こういうことを言いたくなります。それだけです。

 

 

 しかし、そういう理屈を言ってみても、現実問題「釣りは良いけど、突きはダメだ」という条例があります。同じ魚を同じだけ獲ろうと言っても、魚突きだけが冷遇されています。

 では、なぜ厳しいのかと言えば「イセエビ等の密漁」と見分けがつかないからでしょうね。まあ、漁師さんの目線で考えればそれは確かに紛らわしく、ストレスになるのも無理はないですね。

 でも、それでもやっぱり、獲っているのは魚です。

 

 一般の釣り客が遊漁船に乗って、船一面に魚を並べられるほど釣るのに対して、凄腕の突き師でも自分の肺活量で獲る魚の量はせいぜい腰にぶら下げられる程度なもんですよ。

 何度も言いますが、釣りが悪いのではないです。「釣りはいいのになんで銛だけダメか」と、突き師は皆思っていますが、それは釣りを憎んでいるわけでなく、自分たちも認めてくれ、と言いたいだけなのです。



『銛突きのルール』

 日本では県によって「銛突きが可能かどうか」が決められています。小型でも、手銛の使用が禁止されている県はあります。ちなみに水中銃の使用は、全国で禁止されています。

 確かに手銛と水中銃とでは、水中銃の方がたやすく魚を突けると言われています。

 

 ちなみに、水中銃を国内で販売すること、購入すること、所持すること、携帯すること、撃つことは許されています。なんら問題ないです。ただ、魚を獲ることだけが禁止されているんです。そのことから「威力の危険性でなく、漁獲力が禁止の理由」というのが分かりますね。

 

 でも、確かに突き易いとはいえ、それでも遊漁船などの遊びの船釣りの漁獲量には到底及ばない漁獲力だとは思いますが、、、それでも禁止されているものは禁止されています。

 ところが、ネット上では割と多く(それも堂々と)国内で水中銃を使って魚を獲っている内容がアップされています。自分は水中銃はもってないし、使おうとも思いませんが、使っている人などはネットを介して多く知っています。

 

(※ただし、漁業権をもっていれば水中銃の使用は国内でも可能です)



『魚突きはひっそりとやるべきか』

 この水中銃の件に関してはさすがにネット配信は恐いと思います。変な条例とはいえ、条例は条例。水中銃の使用は、せっかく手銛が認められている条例の価値さえ損なってしまいます。

 でも、条例にのっとった手銛の使用とその突果の内容等の配信も自粛すべきか、という考えには首を縦には振れません。確かにそういう動画等を配信することで「にわか素潜り」を生み出す影響力となり、トラブル発生の分母数を増やすデメリットは生じます。今の時代、ネットの力はあまりに強大過ぎますからね。

 しかし、ですね。強大過ぎるがゆえに、一個人の「こういう動画配信やめよー」で、時代の流れを止めることなども不可能ですよね。

 

 必ずどこかで知らない誰かの投稿はSNSの中に上がり続けます。つまりは、このSNS社会において「ひっそりと」はもはや不可能なのです。



『魚突きはどう進むべきか』

 こんな重苦しいこと、本当は自分も考えたくないです。

 

 ただ純粋に、海に入りたい。そして突いた魚をアテに、お酒飲んで気持ちよくなって、「おっぱーい」とかなんとか馬鹿なことを言っていたいだけです。藤岡探検隊ごっこしたり、人に迷惑かけない程度にいろんなしょうもないことをやって、バカして遊んで笑っていたいだけです。そもそも、ちょっとYOUTUBEで配信してるだけで、僕は魚突きのパイオニアのような偉い人物などではありません。

 したがって、最後に人の言葉を借りさせていただきます。

 尊敬する、アクアライフ栗岩さんのお言葉です。

「インターネット上で獲物写真を出したり遠征記を発表することは止め、ひっそりと静かに楽しむべきだという考えをもつ人も多い。だが私の考えは異なる。それは、魚突きの未来にとって、もはや静かに楽しむことなど何の解決策にもならないということだ。先述の通り、魚突きはすでに世間一般に広く浸透している。時代はもう先に進んでしまっているのである。私たち魚突き愛好家は、魚突きについての正しい知識や問題点、素晴らしさなどを提示し、発言していかなければならない」『モリでひと突き より』



 ダイツベが動画配信する一番の理由は、ぶっちゃけ「自己掲示欲」のためです。

 自分の活動を多くの人に自慢したいから、見て下さる方に気持ちよくその自慢を受け止めていただくために、できるだけ面白く丁寧に編集をしているだけに過ぎません。それだけです。

 だから栗岩さんのおっしゃられるような「魚突きについての正しい知識や問題点」を大々的に提示し、発信できるような者なのかといえば……その実力も知識も器量もまだないかもしれません。

 

 でも、知名度だけはこれからも上げ続けていくつもりです。だから、自分にも責任というものがついてくることは、これから無視できなくなるだろうな、と今から覚悟しつつあります。

 ネットを見れば、水中銃はもちろん、手銛も使ってはならない場所での手銛使用等、やっている人はいます。辞めた方がいいとは思います。が、自分はあえて何も言おうとは思いません。それを注意してそれを問題にするよりも、僭越ながらも正当な動画を配信し続け、少しでも栗岩さんのおっしゃられるような「提示・発言」から外れないようなチャンネルをつくっていきたいなあと考えています。

 

 マイナスをなくす戦いでなく、プラスをつくるための戦いに挑みます。

 

 別に、突き人口を増やしたい訳ではありません。本当は増えてくれなくていいです。世間に理解されたいだけです。でも、どうしても考えの違う人は多いので、理解を得るのも無理かなーとも思っています。でも、絶対に確かなものがあるとすれば、それは一つ。

 

――「魚突き」は何ら間違っていない。

 

 そう、僕らの趣味を、文化を、生活を、どうしても理解できないというなら理解してくれなくていい。ただ、否定はしてくれるな。僕らの楽しんでやっていることは、何も間違ったことではないんです。これが自然に最も近い、生きる姿なのですから。

 

 だから、絶対に否定だけはさせません。

 

 それだけです。