DAITUBEの魚突きブログ

「魚突き」ときどき「BBOY」でお馴染みのYOUTUBEチャンネル『DAITUBE』です。「三又の土佐銛先」と「2mのアルミ銛」を使用した、いわば「軽装魚突き」での突果にプライドをかけています。

奄美で素潜り漁師生活③

7がつ11にち、てんき はれ。

 

 奄美遠征三日目は、いよいよ本格的な漁に挑戦します。

 

 今までダイツベのやってきた「魚突き」は「スピアフィッシング」であり、マリンスポーツです。ただ大島軍さんのそれはまさしく本当の「漁」なのであります。

 

 何が違うのかというと、目的が違います。

 

 スポーツの魚突きは、「決して大漁を目指すのではなく、むしろ一匹の自分の目標としている魚種・サイズを追い求めて競い合い、銛を握る」というのが本来のあるべき理想の姿。

 

 そして漁師としての魚突きは、「とにかく獲物を効率よく獲る」ということ。そしてそれには、競い合うことより助け合うことが重要なのだとも。

 

 

 三日目の漁からは、大島軍の「しょうくん」、さらにせいやくんの「二人目のお兄さん」も参戦し、計5人でおこなう本格的なものとなりました。

 

 お兄さんの一人が「浮きをつけたクーラーボックス」を牽引し、それを中心に全員がかたまって行動します。全員で潜りながら、リーフの海岸線にそって数キロほど平行に泳ぎ続けるコースです。

 

(↑集団突行陣形のイメージ図)

 

 

 ダイツベが普段やってる「合凸」、いわゆるスポーツとしての魚突きでは、まず全員が集まることはそうはないですよね。人が集まれば魚も逃げるし、何より見つけた獲物を横取りされたくはない。自分の見つけた秘密のポイントで魚を仕留め、仲間たちとの差をつける、というのも醍醐味の一つですしね。

 

 でも「漁」で求めるのは「翌日の市場にどれだけの魚を供給できるか」のみです。個人の突果ではなく、水揚げ量なのです。だから全員で移動し続けながらおこない、そもそも一か所にとどまるこもなく、魚がいなくなればすぐに次々いきます。でも大人数なので、見落としも少ない。非常に効率のよい方法といえましょう。

 

 ですが、ダイツベはその方法に全然慣れてなく、隊列を乱してばかりで皆をちょくちょく心配させてしまいました。ごめんなさい(笑)

 

 

――そんなこんなで、海の中。

 

 リーフエントリーは非常に危険で、海の中に入ったと油断していたら、少し高い波がきてリーフの上に押し戻されてしまいました。身のこなしは軽い方なので、受け身はとれてケガなどはまったくしませんでしたが、リーフの割れ目に押し込まれ、挟まれでもしていたら、命にも関わっていたことでしょう。

 

 リーフの波打ち際には魚がよく集まっていたのですが、そのことを考えると近づかない方がよいとのことです。

 

 とはいえ海はやはり綺麗でした。海藻を食べているウミガメがいたので近づいてみましたが、ダイツベ史上最も至近距離なウミガメ映像となりました( *´艸`)いい画が撮れたー♪

 

 そんなこんなで移動をしていると、リーフの割れ目にまたもやイシガキダイを発見!

 

 昨日の漁ではユカタハタ、スジアラ(せいやくんの一人目のお兄さんが突いたヤツ)を揃えて市場に出していただいて、そのハタ系の高級さをリアルな値段で知ることが出来ました。と、すると、皆さんが次に気になるとしたら、石鯛系の値段でしょう。

 

 初日にダイツベが突いたものは自分たちで消費してしまったので、その値段を調べるにはもう一匹突かなければなりません。ダイツベの企画的にも、ここは絶対に必要な魚種です。

 

 ダイツベは、ゴムをめいっぱい引いて、銛を構えます。そしてさすがのイシガキダイ。好奇心強く、岩陰だからという油断もあってか、射程圏内までパタパタと入ってきました。すかさずそこを、モリで一突き! さらに銛の角度を下にやって、海底に押し付けながら抑えに入ります。

 

――ところが!

 

 一瞬の間に、銛先からイシガキダイがするりと抜けて、バラしてしまいました。リーフの間の奥深くに逃げていくので、手前までしか追えず、結局取り逃がしてしまいました。

 

 でも、諦めきれず、息を整えたのち、もう一度そのリーフを探ってみます。が、イシガキダイの姿はもうどこにもありませんでした。しかも、もっと酷いことが次の瞬間におこりました。

 

 ぶち!!

 

 と、大きな音を立てて、銛のゴムが切れてしまったのです。初日のこともあります。間違いなく、ゴムが劣化していました。貫通力が出てなかったのも、このためでしょうか。しかも今度は端っこが切れたような可愛いものではなく、ゴムが7:3の長さで分断されたような切れ方です。こんな遠征の大事な時に、痛恨の極みです。

 

 とにかく雑な応急処置をしましたが、ゴムは短くなり、飛距離は格段に落ちてしまいました。30㌢くらいしか飛ばない。竹ヤス並みか、それ以下です。

 

 ただ構えたときの、手元からの長さはあるので、射程自体はもともとのそれとそこまで変わりません。ダイツベはまだまだ諦めたりはしませんでした。

 

 ただ、着底アプローチで平行に狙って撃つと、どうしても失速が酷く、魚に届きません。ここは狙いを定め辛くはなりますが、真上から狙って、重力を加算して銛の威力を上げる策に出ます。

 

 ちなみにハタ系などは目が上に向いているため、真上からだと近づくのも狙うのも難しいですが、ブダイ系は意外と真上が死角になりやすいです。そして、奄美では「エラブチ」と言って、ブダイはむしろポピュラーな魚種になります。

 

 ということでダイツベの昼の部は、ブダイを狙って、ゴムの切れた銛の「急降下アプローチ」で苦戦奮戦。なんとか頑張りはしました。

 

 漁を終えて漁港に戻りましたが、仲間が計2匹のイシガキダイを仕留めてくれていました。これはホントにありがたい。企画として本当に救われました。個人の突果より、チームとしての、企画のための成果。なんだかダイツベにも、個人技だけではない、楽しさというか、大事なものに気付かされた気がしました。

 

 最後にこの日の動画です。